Q.移行型の任意後見契約とセットで契約する「見守り契約」とはどんな契約ですか?

A.任意後見契約を締結した後、ご本人の判断能力が低下するまでの間、ご本人の生活、療養看護および財産管理に関する事務をお引き受けする契約です。

将来、判断能力が低下した際に備えて、任意後見人を引き受けてくれる人(「任意後見受任者」といいます)と任意後見契約を締結しても、その間に本人と任意後見受任者と疎遠になってしまい、後見事務が必要な状況になっているのに契約が発効(スタート)されないことも考えられます。

また、実際に判断能力が低下し、契約を発効させるために、家庭裁判所に対して任意後見監督人選任申し立てを行い、実際に後見事務を開始できるまでにかかる2~3か月の空白期間をどうするのか、という問題が残ります。

そこで、この「見守り契約(生前の事務委任契約)」があれば、任意後見受任者は本人の状況を定期的に把握できるので、判断能力の低下があれば本人の同意を得て直ちに任意後見契約発効の準備に入れるようになります。

また、判断能力の低下はなくても、突然入院した場合や、足腰が弱くなって外出が辛くなってきて場合に、受任者が金融機関で手続きをしたり、役所で介護保険の申請を行ったり、といった事(代理権目録の範囲内)が可能です。


これは、委任者(本人)と受任者(様々な事務を代理で行う人)との契約ですので、具体的な内容については、お互いに話し合いで詰めていくことになります。

ただし、私は一般社団法人コスモス成年後見サポートセンターの会員ですので、コスモスが不適切だと禁止している本人の財産処分(自宅等の不動産を売却したり賃貸契約を解約すること等)については、ご本人の判断能力に問題のない時点で受任者が代理して行うことを代理権目録に盛り込むことはできません。

また、当職が受任者となった場合は、同コスモスの監督を受けるため、3か月ごとに委任事務処理状況について報告書を提出して報告することとなっております。


 

私は、見守りの方法について、(1)月に一度の電話と年に一回の訪問 (2)年に3~4回の訪問 のどちらかを選んでいただいています。

偶然にも、皆さんが(1)を選ばれたので、毎月お電話して「いかがお過ごしですか?」「お困りごとはないですか?」とお尋ねしています。

もちろん契約時にも様々な事をお聞きしていますが、毎月毎月お話していると、やっぱりお人柄や性格、趣味・嗜好、健康状態なんかもよく分かりますし、徐々に親戚の事や、昔のこと、今一番気がかりなことなどもお話してくださいます。

そんなやりとりの中から、遺言を書き換えるお手伝いやご家族の相続手続きをさせていただいたり、その他気になっていることなるもののお話をお聞きしたり、お調べものを依頼されたり…
このような「見守り契約」の代理権目録にはない行政書士のお仕事をお引き受けすることも多く、結果的に皆さんとは一年に一回どころか何度もお会いしています^^

企業でいうところの「顧問(何でも相談屋)」、医者でいうところの「かかりつけ医」、弁護士さんがたまに使う「ホームロイヤー」的な存在でありたいですね。
報酬は、「見守り契約」で財産のお預かりが一切ない場合は、(1)でも(2)でも一か月数千円程度です。
ただし、「見守り契約」にない、行政書士業務をお引き受けする場合は、別途報酬が発生します。